2018/10/21

北海道胆振東部地震を函館市内で経験したこと

2018-09-06未明に起きた北海道胆振東部地震を函館市内で経験したこと、必要だったもの、不便だったこと、準備して置いたらよかったと思ったことなど。

## 経過

2018-09-06
未明地震発生直後から停電が発生。
函館市内は電気以外のインフラは異常なし。
家、近隣の建物、道路も地震による被害なし。
夕方より一部地域で電気が普及する。
2018-09-07
夕方に自宅の電気が復旧。市内では遅い方だった。
2018-09-08
函館市内全域で電気が復旧。

## 照明

枕元の電池式の読書灯、玄関の電池式のセンサーライトが役に立った。
普段使いにも便利なのでおすすめ。
キャンプ用のヘッドライトも手元がフリーになるので便利。


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## トイレ

トイレには窓がなく暗いのでライトが必要。
ファンによる換気が止まっていたので、次善の策として消臭剤を置いた。

## ラジオ

スマホでは情報のタコツボに入ってしまう危険がある。公的な情報を得られるようにしておきたい。
非常時に回線が通じるとは限らないので、ネットラジオではない方がいい。
乾電池式が良い。手回しやソーラでの充電式もいいと思う。
基本的に消費電力は少ないので、数年前に電池を交換したきりのものでも動いたが、定期的な電池チェックはしておくべきだった。
スピーカーで音が出るもの、イヤホン専用ではないほうがいいと思う。ながら聞きができるのがいい。
NHKが基本だが、ローカル局FMいるかが地元密着型でどこの店が営業しているなどの情報を流していて非常に良かった。

## スマホ

モバイルバッテリーは持っていたが、充電をしていなかった。
幸いiPhone 7 Plus 1.5回分の容量は残っていたが、フルチャージにしておくべきだった。
10000mAhのフルチャージなら3回分くらいできることになっているものを使っている。
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Li-ion電池は特性的にフルチャージで保存しておくのはあまり望ましくないので、普段使いしつつ常に継ぎ足されている状態にしておくのが良さそう。
4G回線は概ね繋がっていたが、時々不安定になることもあった。

## 乾電池

Ni-MH充電池の単三、単四はいくつか持っていたが、充電済みかどうかは管理していない状態だった。
LED照明用に予備は必要。今回は使わず事足りた。

## 呼び鈴

うちのは電気が通じてないと鳴らないものだった。張り紙をするなどして声をかけてもらうようにしたほうがいい。

## 冷蔵庫、食料

電気が止まっても1日弱は冷凍したものは凍ったままにできた。
冷凍しておいたご飯、製氷皿の氷を保冷剤代わりに冷蔵室に入れて運用時間を延ばした。
クーラーボックス用に売っている保冷剤を冷凍庫に常備することにして、今後に備えることにした。
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いつも食事を作るときは一度に2、3食分くらい作って保存しておくようにしており、地震の前日にカレーを作ったばかりだった。
スパゲティ、朝食シリアル、ジャガイモ、玉ねぎ、冷凍したひき肉も残っていたので、今回は買い物の心配はせずに済んだ。
食材は一人分だけ買うと割高なため、いつもの習慣としてある程度まとめて買って、保存のききやすいもの中心にしているのが良かった。
米もまとめて炊いて一食ぶんづつ小分けにして冷凍して、保存するようにしている。

スーパー、コンビニの中には停電中も営業しているところはあった。カップ麺やペットボトル飲料などを中心に売っていた。
生鮮食品はほとんど売っていなかった。悪くなる前に格安もしくは無料で配っているところもあるという話を聞きはしたが、自分が行動した範囲ではやっていなかった。

## ガス

今回は電気が使えなかっただけで、ガスは通常通り使えた。
キャンプ用のバーナーは持っているが活躍の機会はなかった。

冷凍物の解凍に電子レンジを使わない工夫が必要だった。
冷凍したご飯をお湯で戻したらおじやになって、カレーには合わなかった。ジップロックに入れて湯煎する方法を教えてもらい美味しく食べられた。
アルミホイルに包んで火にかけるという方法も取れるらしい。

## 風呂、シャワー

ガス湯沸かし器に電気が必要で使えなかった。幸い気温が高めの日だったので水で何とかなった。
早めに電力が回復した地域で温泉が営業していて賑わっていた。

## ストーブ

うちで使っているのは灯油式だが、排気に電気が必要なため、もし冬に停電したとしたら死活問題につながるところだった。
電気を使わないタイプの灯油ストーブをひとつ用意しておくべきと思った。
気密性の高い室内で使うことになるので、合わせて https://amzn.to/2NvOiOx のような一酸化炭素を検知するセンサーも導入しようと考えている。

## 洗濯機

電気がなければ動かないものの一つだが、いざとなったらタライと炊事手袋があれば間に合う。

## 水道

今回は支障なく使えた。集合住宅ではポンプが動かなくて使えなかったところもあった模様。
普段から二週間に一度くらい、飲料水として七飯町のおいしい湧き水を10Lタンクに2本分汲みに行っている。
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もし水道が止まったとしても5Lくらいは残っていたので特に心配はなかった。
持っていない人は何かしらの給水用タンクは家に置いてあった方がよい。

## 車、ガソリン、交通

今回の停電により街の大半の信号機が消えていた。
にもかかわらず、函館は車なしでは生活に不便な街のため、普段よりはちょっと少ない程度の車が行き交っていた。
案外皆が自然と交差点で一時停止するなどして譲り合っていて、事故はみかけなかった。「災害ユートピア」https://amzn.to/2QjYbx9 の発生だった。
とはいえ危険なので、不用なときは運転しないに越したことはない。
街灯が消えてるときに夜間歩行する必要がある場合は懐中電灯と反射素材で車から見えるようにしておかないと危ない。

停電で必要な設備が動かないため大半のガソリンスタンドが休業していた。開いているスタンドには長蛇の列ができていた。
今回はガソリンは半分くらい残っていたので、慌てて給油する必要はなかった。
普段、空になるまで使ってから給油していたが、半分くらいになったら給油する運用にしようと思う。

車のバッテリからUSB端子で充電や、カーナビについているテレビで情報を得るなどしている人もいた。
コンビニチェーンのハセガワストアでは、車からインバータ電源を通してレジを動かして営業している店舗もあった。

## PC

地震発生後の朝、停電が続いているのを確認した後、早々にスマホからSlackで職場に連絡し、安否の連絡と休業の知らせをいれた。
PCなしの連絡手段は確保しておくべき。
ノートパソコンに60%ほどバッテリーは残っていたが、必然性はなかったので電力復旧まで使わなかった。
最近のMacBookのUSBから電源を取るようになっているモデルはいまいち不評だけど、モバイルバッテリーを使えるのは羨ましいなと思った。

## ネット

停電中CATVネット回線は当然使えなかった。
自宅の電力回復後も基地局側はまだ回復しておらず、使えるようになるまで1時間ほど必要だった。

## 停電復帰以後

2018-09-08 夕方の停電復帰後、一週間くらいはスーパーの食料品の棚にちらほら空きがある状態だった。
野菜、魚は地元産のものが多いので比較的早くに正常化した。なぜか比較的遠くの根室の秋刀魚が大量に入荷していた。旬なので安くて美味しかった。
冷凍食品、魚、肉を仕入れていて冷蔵していたお店は、破棄せざるを得なくて金額的ダメージが大きかったとの声を複数から聞いた。
冷食、チーズ、牛乳、加工食品の流通が回復するのが遅めだった。
牛乳は一時、地元ブランドの函館牛乳 https://www.e-milk.co.jp/ だけが並んでいる状態だった。

地震は最初の揺れ以外は気づかない程度のものがほとんど。
函館は一週間ほどでほぼ通常通りの日常が戻った。